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子どものやる気を育てよう

  • 園長コラム
  • Vol.55
 小学校入学目前の年長さん。小学校生活も「やる気!」をもって何事にも取り組んでほしいと願っています。
 さて、この「やる気」と大きく関係するのが「非認知能力」です。帝塚山学院幼稚園では、文字や数といった認知能力も大切にしていますが、それ以上に学力を支える非認知能力を育むことをとても大切にしています。非認知能力とは、具体的に意欲や協調性、忍耐力、計画性、自制心、創造性などと言われています。そして、これらの力が育つのは0歳から6歳ごろ。5歳までに決定するという専門家の意見もあるほど、幼児期の過ごし方や環境、周囲の言葉のかけ方が非常に大切なんです。しかし、どのご家庭でもお子様の「やる気」をしっかり育みたいと思っている反面、言い過ぎるとやる気をなくしてしまうし、言わなければ何もやらないし…といった悩みを持っているのではないでしょうか。
 一番大切なのは、「自分で決めること」です。年少さんくらいだとまだ時間の感覚も身に付いていませんが、年中さんくらいになると自分で時計が読めるようになります。デジタル時計で構いません。まずは自分で○○時に○○をするといった時間割みたいな計画表を作りましょう。もちろん親子で話し合って一緒に作ります。できれば、視覚的によくわかるように、絵や文字で表記して、実行できたらマグネットを置くとか、裏返したら絵が変わるといった工夫をするとやる気もアップします。実際に、生活リズムがなかなか整わなかった小学生に試してもらったところ、自分で計画を立てて、ちゃんと実行できるようになったという報告をいただきました。
 はじめは、欲張らず少なめの目標からスタートすることをお勧めします。そして出来たらしっかりと褒めてあげてくださいね。
 また、自主性を育てるつもりでよく使う「自分でやってごらん」という言葉。この言葉の落とし穴は、自分で出来ないから、「出来ない」と訴えていたり、戸惑っていたりするわけです。それなのに、自分でやってごらんと言われても、やる気にはなかなかなれません。そんなときは「一緒にやろう!」と声かけをする、もしくは、なぜ出来ないのかをしっかりと観察してあげてください。手の使い方が悪いから?ちゃんと見ていないから?などの原因を考え、単に手伝うのではなく適切なアドバイスを心がけましょう。
 さらに、自分で考えるためには「言葉」が考えるもととなります。いつまでも赤ちゃん言葉で話しかけるのではなく、正しい言葉で話しかけてあげること、そして豊富な会話をすることで自然に思考力が高まります。また、どの親御さんも、子どもが興味を持ったことは全力で応援したい!とおっしゃいますが、親の考えや趣味と合わないと否定してしまいがち。それも、子どものやる気がなくなる原因の一つです。危険なことや他人に迷惑になること以外は受け入れてあげてほしいですね。
 最後に、朝のやる気のなさやグズグズは寝不足の一言です。うちの子はどうしてこんなにやる気がないんだろうと悩む前に、たっぷりと睡眠をとらせ、規則正しい生活を心がけてみてください。これだけですっかりお子様の様子が変わりますよ。
 やる気スイッチは、急には現れません。毎日の積み重ねが大切です。まずは、スタートスイッチをオンにしてみてください。
 

帝塚山学院幼稚園では未就園児の皆さまに
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