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環境から生きる力を育む

  • 園長コラム
  • Vol.47
 地球温暖化の影響で、日本の四季はぼんやりしつつありますが、今年の冬は寒い!!ですね。冷え込んだ朝は、なかなかお布団から出られないなど体の動きが重くなるのですが、天気予報で「明日の朝は氷点下」と聞くと何故かワクワクするのです。  
 早速、園庭のじゃぶじゃぶ広場や、小さな容器やお皿に水を張って準備する先生方も。準備万端にして朝を迎えると…はい!!しっかり厚さ1㎝近い氷ができているではありませんか!子どもたちの喜ぶ顔が浮かびます!  
 登園するやいなや氷に大騒ぎする子どもたち。園庭に出ると、手を真っ赤にしながら、氷越しに景色を眺めたり、割って遊んだり、中にはこっそり池の氷の上に乗って…はい!割れました!ドボドボ、冷えっ冷えの靴になりながら、なんだかばつの悪い顔。しかし、幼児期のこんな経験や遊びが子どもたちの探究心や好奇心を育むことは言うまでもありません。  
 ところが、この数十年で子どもたちの遊びは「体を動かさない」「人と触れ合わない」「話さない」といった要素が多くなったと言われており、さらに新型コロナウイルスの感染拡大が追い討ちをかけているようです。子どもの成長に必要な、さまざまな経験が不足しているとのこと。
 信州大学の平野吉直先生の小学校4年生から6年生を対象に行なった調査によると、自然体験活動(「夜空に輝く星をゆっくり見た」「太陽が昇るところや沈むところを見た」「海や川で泳いだ」「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫を捕まえた」)が豊富な子どもは課題解決能力や豊かな人間性など「生きる力」が備わっているとの結果が出ています。  
 また、自然体験が豊富なグループほど「わからないことはそのままにしないで調べることが多い」「誰とでも協力してグループ活動ができる」「相手の立場になって考えることができる」といったポイントが高いそうです。  
 自然との触れ合いの大切さは、幼児期の終わりまでに育って欲しい「10の姿」の中にも「自然との関わり・生命尊重」として取り上げられています。
  短期間で大きく変化する子どもたちを取り巻く環境を改めて見つめ直す必要があると感じます。心ときめく体験や、発見ある仕掛けづくりに加え、不足しているといわれる3要素「体を動かす」「人と触れ合う」「話す」これらを意識したプログラム作りを心がけたいものです。そして、何が起こるかわからない子どもたちの将来のために、「上質な環境においての上質なあそび」を提供し「生きる力」を育んであげたいと思うこの頃です。  
 さあ、外に出て一緒にあそぼう!

参考 : coleman
自然が子どもを成長させる~自然体験が子どもたちに与える影響について~

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