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SDGsへ一歩踏み出そう!

  • 園長コラム
  • Vol.46
 皆さま、SDGsってご存知でしょうか?私が住んでいる堺市では、SDGsの17色を用いた前方後円墳型のオリジナルロゴマークを以前からあちらこちらに掲げており、私自身は早くからこの存在に気づいていました。
 SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」のことです。社会が抱える問題を解決し、明るい未来を創るために2030年までに世界全体で取り組む目標で、17のゴールと169のターゲットで構成されています。未来を担う子どもたちにはこの取り組みにぜひ興味を持ってほしいと思い、7月1日のレジ袋有料化をきっかけに一歩踏み出すこととしたのです。  
 子どもたちがSDGsに取り組むはじめの一歩は、「レジ袋はなぜ有料になったのか?」という問い掛けからスタートしました。それも、レジ袋やペットボトルなどの自然分解されないゴミが世界中に山積していることを子どもたちに単に伝えるのではなく、体験を通して知ってもらうことにしたのです。私は何かに取り組む際には、できる限り私たち大人の考えを子どもたちに伝え、教え、答え、決めるという方法ではなく、問題を提起して子どもたちとともに考え、答えにたどり着きたいという思いを常に持っています。
 今回は一人の担任の先生の提案で、段ボールのコンポスト、通称「ダンポスト」で実験することにしました。このダンポストは、土の中にゴミを入れて毎日かき混ぜるだけでゴミを堆肥に変身させてくれる優れもの。年中さんと年長さんの各クラスをZoomでつなぎ、話し合いながらダンポストに入れるゴミの種類を決めました。年長さんはストローやガラス、マスクやトマト、年中さんは給食の残りや畑に残っている収穫が遅れた野菜を入れることにしました。子どもたちなりに、堆肥になるもの・ならないものの予想を立ててはいますが、まだまだ実験は始まったばかりです。結果を見たときの子どもたちの反応が楽しみです。
 自分たちの未来を考える基となる経験を幼児期にしておくことで、世界がどんな問題に直面しているかを自然に知ることができます。世界の問題と自分たちの生活との関連を考える経験は、グローバル社会で生きていくうえでまさしく大切なことです。子どもたちが就学後に困ることのないように、幼児期にはある程度の読み書きや数との関りを持っておく必要があると考えますが、それ以上に意図して与えるべきことは、心の豊かさを育む経験や、やる気や好奇心、探究心が育まれる体験、そして豊かな感性を育てる体験です。
 残念ながら、目先の先取り教育、つまり認知能力だけを鍛えようとしたバランスを欠くプログラムも少なくありません。次々に課題を与え、その課題をこなす学びの時代は終わりました。子どもたち自身が自ら意欲を持って主体的に学び、保育者はそれらを最大限にサポートする時代に大きく変化しています。自分たちの未来は自分たちで創造する。そんな頼もしい子どもたちに育ってくれるよう願いを込めて、一歩先行く未来を見据えた教育をこれらも模索していきたいと思います。
 

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