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たくさんの体験を通して、育もう10の姿

  • 園長コラム
  • Vol.43
 2017年に幼児教育・保育基準となる「幼稚園教育要領」が改訂され、それに伴い就学前の姿を想定した「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」が示されました。具体的な姿が提示されているので、目標や方向性がすっきり明確になりました。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」
● 健康な心と体  ● 自立心  ● 協同性
● 道徳性・規範意識の芽生え ● 社会生活との関わり
● 思考力の芽生え   ● 自然との関わり・生命尊重
● 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
● 言葉による伝え合い  ● 豊かな感性と表現
 
 本園でもこれらを目標に活動計画を立てて日々の保育を展開していますが、幼稚園のさまざまな活動の中で、何がどのように育っているのか、どのようにすればさらに育むことができるのかを、園内研修として改めて話し合ってみました。  
 例えば砂場で山を作って遊ぶシーンからは何が育まれるのでしょうか?具体的には、「健康な心と体」や友達と協力して物を作り上げる「協同性」、どうすれば高い山を作れるかという「思考力の芽生え」、そして「言葉による伝え合い」、さらには遊びを広げていく「豊かな感性と表現」。砂場遊びのワンシーンだけでもこれだけのことを学ぶことになります。また、菜園で収穫したそら豆のさやをむくと、中からはフワフワのベッド!「自然との関わり・生命尊重」を感じ、さやから出てきたお豆は全部で何個?と先生が問いかけると、子ども達は数を数え「数量」にもふれることになります。
 たった二つの場面を取り上げただけですが、学ぶことがたくさん詰まっています。これが学び?と思われるかもしれませんが、幼児期の学びは知識を一方的に伝えたり、技能を習得させたりすることに偏ってはいけません。保育室内での活動から園庭での遊び、その環境すべてが連動して子どもたちの成長を支えているのです。机上の学びではこれだけの事柄を同時に体験することはできませんね。さらに、これからの時代では、人と協力し合って問題を解決する能力も重視されます。体験が何よりも大切になってくることでしょう。  
 ただし、この10の姿を完璧に習得することばかりになってしまうのは良くありません。この10の姿を目標にそれぞれの子どもの成長に寄り添い、より多くの体験をすることで、好奇心と探求心に満ちた、学ぶ意欲に溢れる子どもたちを育てることが何よりも大切なことと考えます。

帝塚山学院幼稚園では未就園児の皆さまに
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