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育てよう!探求心

  • 園長コラム
  • Vol.41
 帝塚山学院幼稚園では、園外保育と称して年に8回遠足に出かけています。10月の園外保育の行き先は「大泉緑地公園」。子どもたちの今回のミッションは「どんぐり拾い!」です。拾ったどんぐりを使った作品づくりを計画しているからです。
 公園に到着しバスから降りるやいなや、いろんなものを見つける子どもたち。歩いているアリや小さな雑草のお花、どんぐりや木の実など、なかなか前に進みません。担任の先生の「もっといっぱいどんぐりがあるところに行こう!」という掛け声に、しぶしぶ移動します。しかし、雑木林でまたもやどんぐり発見!ひとつ見つけては「あった!」「きれい!」「大きい!」「帽子をかぶってる!」と喜びの雄叫びをあげます。その後もどんぐりを拾い、コオロギやバッタを捕まえ、ザリガニ釣りに挑戦する学年もありました。
 テーマパークや刺激的な映像など、受動的な体験が多い今の時代。子どもたちが自ら発見する喜びを少しでも感じられる、能動的な遊びを大切にしたいと考えています。発見できる要素がたくさん盛り込まれた園庭で、日々過ごしているせいでしょうか。他園の子どもたちが雑木林を足早に通り過ぎていくなか、本園の子どもたちは本当にさまざまなものを見つけ出し、長時間その場を動きません。これは本園の子どもたちの特徴であると感じています。
 子どもたちが成人する時代には、今人間がやっている仕事の半分はコンピューター(ロボット)に代わっている可能性が高いと言われています。そんな時代を生きるためには、単に「計算が早い」「記憶力がある」だけでは通用しないことが容易に想像できます。では、どんな能力を身につけておくべきでしょうか。それは「探求心」や「創造力」、「コミュニケーション力」と言われており、中でも探究心は幼いときの体験によって育まれます。「どうして?」「どうやって?」「これなに?」と子どもたちの好奇心が刺激される体験が探究心を育てるのです。探究心をしっかりと育んだ子どもたちは学ぶことを新しい発見と捉え、自ら楽しんで学習に向かいます。  
 また、能動的な遊びや体験は考えたり工夫したりすることの連続です。欲しいものを獲得するために、友だちと協力する様子が見受けられます。このようにビジョンや目的を定め、そのために誰とどのように取り組むかを考えるストーリー作り。これはAIにはできない、まさしく「人間技」ですね。
 これからを生きる子どもたちには、単に知識を伝える、技能を向上させるといった訓練的で単純な教育でなく、好奇心旺盛に豊かな生涯を生きるための素地を育む教育を追求し、その活動を子どもたちと共に一喜一憂したいものです。

帝塚山学院幼稚園では未就園児の皆さまに
本園の教育を体験していただけるイベントを開催しています。
各イベントの詳細につきましては下記リンクをご覧ください!