本園は園外保育という名称で遠足に年間7回出かけます。出かける先は毎年様々ですが、大泉緑地公園は毎年定番の行先です。
この大きな公園内では,いろいろな種類のどんぐりが拾えたり、虫とりができたり、カブトムシの幼虫まで探すことが出来ます。
ピカピカのどんぐりを見つけて、心トキメク子どもたち。それだけで、その場所から動いてくれなくなります。
そして、毎年面白いのが「ザリガニ釣り」です。なぜ面白いかというと、それぞれの子どもの性格が明確に出るからです。
「できないできない! どこにザリガニがいるの!」と人に頼ってばかりの子ども。よく見て、よく考え「む〜〜〜〜っと」ザリガニが出てくるまでじっと我慢する子。その釣れたのを見て、すぐに場所がえをする子。ザリガニが餌を掴むやいなや慌ててしまう子などなど。
じっくりと子どもを観察していると、背景に普段の生活の様子が見えてきます。何でも簡単に努力せず願いを叶えてもらっている子は、我慢強く頑張れない。そして、考える、試行錯誤することができない傾向が強いですね。そして、今日釣れなかったことを残念がりながらブツブツ独り言。
その囁きを聞いていると「〇〇君が先に釣ったからだ!」とか「〇〇ちゃんが〜〜してくれなかったから」と全て他人のせいにしているひとりごと。
もしも、ご家庭でそんなつぶやきを聞いたならどうしますか?是非きちんと伝えてあげてください。
「条件はみんな一緒」「自分のどこがダメだったのか、どんな工夫を友達はしていたのかを考えるべきだよ」って。
いつでも、どんな時でも自分を客観的に見る、振り返る癖づけをしてあげましょう。
その積み重ねが、強固な人間力を育てますよ。
3年ぶりに開催した12月15日の「子育てカンファレンス」には、とても多くの在園児の保護者の皆様が参加してくださいした。そして、子育てに対して迷いや悩みもありながら、とても前向きであることを強く感じ、私も久々に開催してよかったと嬉しく思っております。
そして、その時に話をさせて頂いた「生きる力を育む」という内容にも関連する記事を見つけました。この掲載されている内容を読んで改めて、今の子どもたちは経験不足だと思い当たることが多々浮かびます。そして、遊びの内容についても発展性が低いと感じることが多々あります。
子どもが、何も言わず遊んでいるからといって毎日毎日同じ遊びになっていませんか?その遊びに問いかけや、声掛け、少しでも遊びが発展するような工夫をしてるでしょうか?また、危ないからと言って遊びや経験も親が制限をしていませんか?
そして、記事には失敗を含めた多くの経験を積むことで「自分の力を知る」ことができ、「自分ができることはここまで」を知ることができると秋田喜代美先生は書かれています。そして、乳幼児期は神様が与えてくれた特別な時期でもあり、怪我をしてもすぐに治る力など、様々な力を付ける時期とも続けられています。
ハサミはあぶない、包丁はあぶない、あの遊具はまだ早い、などなど、子どものチャレンジを拒んでいませんか?大きくなってからチャレンジさせよう、それでは遅いのです。取り返しのつかないような大怪我にならないためにも、乳幼児期から、自分の力を試す経験を見守りながら挑戦させてあげてください。運動機能はもちろん、巧緻性も向上し何よりも優れた「手」という道具も手に入れられることでしょう。
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日本教育新聞2022.12.12保育のこころもち223 |
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