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時の記念日 ~大人時間と子ども時間~

  • 園長コラム
  • Vol.51
 6月になると幼稚園の保育室からは「♫コチコチカッチンお時計さん」と時計の歌が聞こえてきます。6月10日は「時の記念日」ですね。日本で初めて、時計を使って時間をはかり、鐘を鳴らした日だそうです。時の記念日にちなんで、今回は子どもたちの時間について考えてみましょう。
 ご家庭では、日々ことあるごとに「早くしなさい!」「時間がないよ!」「遅れちゃうよ!」「急いで!」なんて言葉が飛び交っていませんか?とくに年少さんの子どもたちを観察していると、実におもしろい!目的とは全く違うことに気が取られ、目的に到達しそうに無い様子をよく見かけます。そもそも、時間の進み方は一定だけれど、大人と子どもでは時間経過の感じ方に違いがあるようですね。大人の方が時間の流れを早く感じているようです。そんな、ゆったりとした時空間で生きる子どもたちに、どうアプローチしていけば良いのでしょうか?
 「早く、急いで」といった言葉かけがあまりに多いと、とりあえず言われたことだけをやっておこうということになり、自分で考えて行動する力が身につきません。また、常に急かされるため、物事にじっくりと取り組めないお子さんになります。後の人生もせかせかと過ごすようになるとも言われています。なぜ急がないといけないのかを一緒に伝えてあげてください。幼稚園では、「お家の方が迎えに来るから早く着替えましょう」とか「早く〇〇をしたらいっぱい遊び時間があるよ」といった伝え方をしています。子どもたちに「早く!」と言っても時間の概念が育っていないので、あまりピンとこないのでしょう。「競争だよ!」や「この曲が終わるまでに!」などの声かけをしたり、時計を使ったりするのも良いですね。
 本園では生活のなかにどんどん時計を取り入れています。まだ、時計が読めない年少さんや年中さんには「長い針が8になるまでに〇〇をしましょう」「〇時になったら・・・」といったように、目標を伝えて時計を見ながら時間の流れを感じてもらうようにしています。そうすることで、目標や目安が立てやすくなります。そして、幼ければ幼いほど集中しやすい環境づくりも大切ですね。着替えるにしてもおもちゃが周りに散乱していたり、テレビがついていたりすると気が取られますよね。また、時計が読めるようになると、生活もスムーズになります。もし、ご自宅にデジタル時計や数字が入っていないおしゃれな時計しか無い場合は、数字が入ったアナログ時計をよく見える場所にかけてあげてください。デジタル時計は、今現在の時間しかわかりませんが、アナログ時計は時間の流れを可視化できます。まずは短い針が読めるように、時計の針を図にしたり、おもちゃ時計で示したり、正時から教えてあげてください。30分単位、5分単位と進んでいくといいですね。時計は12進法と60進法が混在するため、子どもたちにはなかなか難しいものです。無理をせず、あくまでも生活の目安に使ってくださいね。そして、大雑把な一日の予定を時間とともに表示してあげるのも、子どもたちにとってはスムーズに過ごせる指針の一つです。時間は数字と一緒に時計も書いてあげるとよくわかるのではないでしょうか。
 子どもたちは同じ一日を過ごすにしても、実にいろいろな体験や経験、動きをしています。この体験や経験、気づきの多さが時間を長く感じさせると言われています。一方、大人はすでに経験したことが多いので、振り返ると時間がとても短く感じるのだとか。「時の記念日」をきっかけに、時間の使い方やお子様との過ごし方を振り返ってみてはいかがでしょうか。子どもと公園に出かけても見守っているだけではありませんか?待っている時間ほど長く感じるそうですよ。できれば一緒に遊んであげてください。時間も短く感じますし、何よりもお子様にとってご両親と過ごした「豊かな時間」として記憶に残り、思い出になりますよ。限られた子ども時代の時間を大切にお過ごしください。

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