読書の輪「おすすめ本」紹介 No.064
2010年12月13日
| 読書の輪「おすすめ本」紹介 |
あなたの『おすすめ本』を募集します。
帝塚山学院中学校高等学校図書館にある本で、あなたのお友だち・先輩・後輩たちに、 自分が読んで感動した本、みんなに是非読んでもらいたい本を紹介してみませんか?
おすすめ本の投稿は下記のサイトから受け付けています。
http://www.tezukayama.ac.jp/jhlib/dokushonowaboshu.html
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| 推薦者 (所属) | 書名 著者 出版社 【請求記号】 | 紹介記事 |
YA (教職員)![]() |
ゴッホ : 闘う画家 / 木下長宏著 -- 東京 : 六耀社, 2002.2 請求記号【723.359 コツ 】 | 学生時代、『夜のカフェテラス』や『ローヌ川の星月夜』等、ゴッホの夜を描いた作品に心惹かれ、次第に彼の作品全般、そして人となりにも興味を持つようになった。弟テオに対する異常な愛情、ゴーギャンとの確執、耳そぎ事件、そして三十七才での衝撃的なピストル自殺。その劇的な負のドラマに満ちた人生の渦中で描かれた数多くの作品群。本書ではそれらを「人物」・「風景」・「静物」・「自画像」の四つのテーマに分類し、鑑賞していく。彼は「絵画」を通し、自己の内面と闘った芸術家だったが、もし「作家」として、あるいは「音楽家」としての才能を持ったゴッホが存在し得たとしたなら・・・。いったいどのような小説を書き、又如何なる曲を創作したであろうかと、そんな思いにも駆られてしまった。 |
YA (教職員)![]() |
教養主義の没落 : 変わりゆくエリート学生文化 / 竹内洋著 -- 東京 : 中央公論新社, 2003.7 請求記号【377.9 タケ 新書 】 | 以前、旧制高等学校そして旧帝国大学で教育を受けられた碩学の先生と交誼を結ばせて頂いていた。もう鬼籍に入られてしまったが、旧制第四高等学校時代(金沢)の思い出話には、往年の日本映画を垣間見るかのような感覚に陥った。かつての「エリート達の青春像」を直に聞かせて頂く貴重な体験だった。さて、こうした戦前の「教養主義」的な高等教育は、社会の均質化、大学の大衆化、高度情報化した現代社会ではもう望むべくもない。が、著者は言う、「甦らすべきだと言う気持ちはない。しかし人間形成における意義は大きい。」と。同感だ。「教養」とは、現実世界と乖離するものではなく、むしろ実人生を奥深い所で支え、豊かなものにしてくれる。今の大学教育を再考し見直す際の、鑑(かがみ)ともなり得るようにも思う。 |
KO (教職員)![]() |
影法師 / 百田尚樹著 -- 東京 : 講談社, 2010.5 請求記号【913.6 ヒヤ 】 | 著者は放送作家としてあの「探偵ナイトスクープ」を手がけたそうですが、小説家に転じ、昨年発表されたこの作品には藤沢周平を彷彿とさせる風格が漂い、その多才ぶりに驚かされます。筆頭国家老にまで出世した彰蔵がかつての親友、彦四郎の不遇の死を知る場面から幼い頃の回想へと話は進んでいきますが、時代小説が苦手な人でも一気に読めると思います。今も昔も「自分さえよければ」「世界は自分が中心」という人がほとんどの世の中で、藩の為にここまで自分を捨てた彦四郎の姿は現実離れしているようにさえ思えますが、いつの時代にも必ず存在するそのような気高い心の持ち主に改めて頭を垂れる気持ちになる作品です。 |
KO (教職員)![]() |
命もいらず名もいらず ; 上・下 / 山本兼一著 -- 東京 : 日本放送出版協会, 2010.3 請求記号【913.6 ヤマ 1〜2 】 | 不勉強の為、山岡鉄舟のことをあまり知らなかったのですが、この作品では幼い頃から自分に厳しく、無私の心を貫き、他者には限りなく優しかったさまざまなエピソードが語られ、鉄舟のような人物が幕末の混乱から人々を救い、平和な日本の礎となったことを教えられます。明治天皇の侍従として多くの収入がありながら最後まで清貧に徹した鉄舟の、死を前にして「おれは、よく生きたか」と自問する言葉は、拝金主義になってしまった今の私たち一人一人に問いかけているようです。 |