読書の輪「おすすめ本」紹介 No.023

2006年7月10日

読書の輪「おすすめ本」紹介

  あなたの『おすすめ本』を募集します。
帝塚山学院中学校高等学校図書館にある本で、あなたのお友だち・先輩・後輩たちに、 自分が読んで感動した本、みんなに是非読んでもらいたい本を紹介してみませんか?

おすすめ本の投稿は下記のサイトから受け付けています。
http://www.tezukayama.ac.jp/jhlib/dokushonowaboshu.html

Page 1
推薦者 (所属) 書名 著者 出版社 【請求記号】 紹介記事
TA (高校生)

     


     
阿Q正伝・狂人日記 / 魯迅 作 竹内好 改訳 -- 岩波書店 1981   請求記号【923.7 ロシ 文庫 】 本書には、たくさんの短編小説が詰まっています。私にとって、最もインパクトが強かったのは、『狂人日記』です。カニバリズム(人肉嗜食)を基に、中国の古い社会制度である儒教的道徳規範の実態を暴いたものです。破壊的文体と主人公の「誰かに食われる」という追い詰められた被害意識にドキッとさせられました。一番怖かった場面は主人公が、兄が殺して調理した、妹の肉を知らない間に食べてしまったと回想するところです。いくら親が病気のときでも、家族を犠牲にして食べさせる必要があるのかと考えさせられました(当時、中国では、人肉が薬用になるということが、俗信になっていました)。戦前に書かれた話なので、どれも暗い話ですが、読んでみてください。
TA (高校生)

     


     
居酒屋 / ゾラ著 ; 古賀照一訳 -- 東京 : 新潮社, 1970   請求記号【953 ソラ 文庫 】 19世紀のパリの下層階級の悲惨な人間群像が描き出された、暴力的で泥臭い作品。主人公ジェルヴェーズは、洗濯屋を開くことを夢見て、死にもの狂いで働く。ようやく夢がかなったが、その後に夫との関係が悪くなるなどのトラブルが頻発し、生きる希望を失ったジェルヴェーズは、店を仕舞い、アルコール中毒になるという堕落の一途をたどる。問題に向き合わず、改めようともせず、ただその日をやり過ごす主人公の行動は、自分にも当てはまり、情けなく感じた。この作品は、「生きることに無抵抗になってはいけない」という教訓を残してくれた。
TA (高校生)

     ああ、三者面談―受験・進学

     
 
     
NHK中学生日記 シリーズ / 蓬莱泰三 著 岡本順 画 -- ポプラ社 1993   請求記号【918 ホフ 01〜35(10・15欠) 】 私は中学生の時、クラブのない日の放課後に、図書室に残ってよく読んでいた本のシリーズです。勉強、人間関係のトラブル、いじめ、進路、恋愛、お金のことetc、私は共感した部分がありました(恋愛、お金のことはよくわからないケド)。中学生はもちろん、高校生、先生方にも、読んで欲しいです。NHKでも「中学生日記」は放送されているので、一度見て下さい。
YA (教員)

     

     
極限の民族 : カナダ・エスキモー,ニューギニア高地人,アラビア遊牧民 / 本多勝一著 -- 東京 : 朝日新聞社, 1967   請求記号【389.04 ホン 閉架書庫 】 ニューギニア高地人、エスキモー、アラビア遊牧民の三つの極地に住む人々と、共に生活しながらのルポである。我々の生活から考えられない、厳しい自然の中で生きる人々の生活を知ることができる。
TA (高校生)

     

     
ロシアン・ルーレット フォト・ドキュメント ソヴィエト帝国の崩壊1989〜1991 / 今枝弘一著 -- 東京 : 新潮社, 1991.12   請求記号【302.38 イマ 】 本書は、ソ連崩壊後の人々の実態を写し出している。アフガンから帰還し、戦地で膝下を失い国家を恨んだものや、アルコールに溺れた者・・・。モスクワでは、マフィアや売春婦、犯罪者など大きな問題を抱えている。写真を見て、マフィアから押収したナチスや旧日本軍からの横流しされた大量の銃には唖然とした。このような問題だけでなく、ストリートチルドレンが問題になっている現在、これから先、この国はどうなるのか考えさせられ、胸が痛んだ。